皆さま、こんにちは。ミマキウッドラボ、スタッフの中西です。
前回の「スタッフの木工日記 入門編①」では、キッチンラックを作りましたが、
次の課題として、以下の4つを挙げました。
入門編①の課題
・前後、左右、上下方向の強度を考えた設計
・同サイズの木材はできるだけまとめて切る(→ズレを防ぐための工夫)
・下穴の開け方、穴開け前の確認
・ビスの頭の処理(座ぐり)
設計を大きく変えることはせず、前回の課題を踏まえて再度ラックを制作しました。
キッチンラック作りの復習編です!
【課題1】前後、左右、上下の強度を考えた設計
前回アドバイスを受けた、中段と下段への背板の追加。今回は初めから図面に書き込んでおきます。
上段と中段の間が205mm、中段と下段の間が225mmということで、背板の高さも少し変えてみました。
47mmと70mmにしたのは、背板用に見つけた端材の長さが117mmだったためです。
今回は棚板の幅が240mmで、前回の400mmと比べると半分程度なので、上段には棚受けをつけませんでした。
代わりに、前回は全て25mmのビスで留めましたが、今回は中段の棚受け以外のビス留め箇所には30mmのスリムビスを使いました。
【課題2】同サイズの木材はできるだけまとめて切る
幅を揃えたい棚板や、高さを揃えたい側板など、同じサイズの木材はまとめて切ることでズレを防ぐことができます。
今回、3枚の棚板全てをまとめて切ることは難しかったので、上段と下段をまとめて切ることに。
側板も2枚重ねてソーガイドを使って切りました。
背板はソーガイドを使わずに手鋸で切ってみましたが、やはり断面がガタついているのが分かります。
ある程度の長さをスパッとまっすぐな断面で切るには、まだまだ練習が必要です…
【課題3】下穴の開け方、穴開け前の確認
【課題4】ビスの頭の処理(座ぐり)
前回は穴の位置決めの時に板の厚みを考慮するのを忘れていて、あけた後で修正したので穴が増えてしまいました。
今回は、図面を書く段階から「板の厚み」を意識して、心の中で唱えながら印をつけ、
あける前にもう一度差し金を当てて、位置が合っていることを確認。
また、ビスの頭が飛び出ないようにする「座ぐり」も今回の課題でした。
今回、中段の棚受けには25mmのコーススレッドビス、それ以外のビス留め箇所には30mmのスリムビスを使うので、
棚受けの座ぐりのみ、他の穴よりも径の大きな穴をあけることになります。
ここも間違えないように、確かめながら穴をあけていきました。
穴あけに使ったのは、キリとドリル。先にキリである程度穴をあけておくことでドリルが刺さりやすくなり、ズレを防ぐことができます。
穴の位置が間違っていないこと、ビス留めの時に板が割れないことを願いながら、組み立てていきます。
ここでまた一つ課題が!
棚受けから、ビスの先端が少しだけ突き出してしまいました。
この部分に使ったビスは25mm。棚受けと側板の厚さを足して、それよりもギリギリ短いくらいだったのですが、
座ぐりをしたため突き抜けてしまったようです。
ほんの少しとはいえ実際に棚を使う場面になると危ないので、逆回転で少し引き戻しておきました。
それ以外のビス留めはつつがなく完了。
まとめて切ったことで上段と下段の幅が揃い、側板と隙間なく接合できました。
ビスの頭が出ていないので、見た目も前回よりスッキリしているような気がします。
座ぐりの深さが揃うと、よりキレイに仕上がりそうです。
手鋸で切った背板の部分の精度も、まだまだですね…
入門編②はここまで。
鋸やキリなどの手工具を使い、電動工具はドリルドライバーのみ。
それでも、初心者であっても、
設計→墨付け→木材のカット→下穴あけ・ビス留め→オイルフィニッシュ
という流れを追っていけば形にできるのだと分かりました。
また、作る前、メジャーを持ってキッチンに立ち、動きをイメージしながら寸法を測ったのですが、
ものを置く位置や手の届きやすさなど、日頃は意識せず行なっていることが多いのだと気づきました。
自分で作ることでちょうど良い大きさや形にできるのはもちろん、
自分仕様のちょっとした工夫を加えることもできます。
前回・今回と作った棚は、日頃の何気ない動きに馴染んでいるようで、
私自身の動き方を変える必要はなかったけれど、前よりも動きやすく快適になったと感じています。
実際に、その場で、何気ないことを観察するところから始めるのもポイントかもしれません。
さて、次は何を作ってみましょうか!